空を仰ぐ
先月の8月27日。
鹿児島県肝属郡肝付町南方、
JAXA内之浦宇宙空間観測所。
日本中が固唾を飲んで発射を見守ったイプシロンは、
搭載されたコンピューターの情報が地上管制室に届くまでに、
0.07秒の誤差が生じたことで姿勢異常と誤感知し、
発射19秒前に打ち上げ中止となりました。
夏休み中ということもあり、
遠く県外からも子供連れのご家族が多く見に来ていたのに、
中止になってしまい泣き出す子もいたようです。
鹿屋市からも打ち上げられたイプシロンが見られるのではないかと、
カメラを用意し、TV中継ののカウントダウンを聞きながら、
南東の方角を注視していたのですが…。
あれ?
打ち上げ中止を知ったのは5分くらい過ぎてからでした。
で、打ち上げを待っている間に、
撮影練習として、
海上自衛隊のP-3C オライオンを撮影していました。
ズームで撮影していますが、
場所によっては肉眼でもこれと同じくらいに見れます。
この機体は、ターボプロップ哨戒機。
ターボプロップエンジンとは、
ガスタービンの出力90%をプロペラの駆動に使うエンジンのこと。
機体後方に尾のように飛び出しているものは、
磁気探知装置(MADブーム)。
特に潜水艦を探知するための磁気センサーだそうです。
さらに、主翼のすぐ後ろの胴体部分を拡大すると…。
沢山の黒い点が並んでいるように見えますが、
これは機体に多数の孔が開いていて、
ここからソノブイ(ソナー内蔵の無線浮標)を投下します。
ソノブイは、対潜水艦用音響捜索機器なので、
P-3Cは潜水艦の探索能力に優れている機体といえます。
愛称の「オライオン」は、Orionの英語読み。
Orionはギリシャ神話の狩人で、
冬の星座、三ツ星が特徴的なオリオン座で有名です。
目的の獲物を必ず見つけ出す空の狩人、
というところでしょうか。
さて、日を改めまして、
9月14日。
イプシロンの打ち上げ仕切り直しということで、
この日も13:45の打ち上げ時間前に空を仰ぎます。
予定より15分遅れの14:00…。
キターーーーー
拡大。
機体は見えませんでしたが、
ロケットエンジンの炎は見えました。
あっという間に天空へまっしぐら。
カメラが液晶画面のみのため、
屋外では液晶画面が暗くなってしまい、
うまく画面に収めることができませんでした。
ミラーレスカメラの弱点です…。
電子ビューファインダーを取り付けることもできるらしいですが、
しばらくは我慢です。
この日は台風が近づいていたのですが、
打ち上げられて良かったですね。
後で聞いたところによると、
打ち上げ終了後、
内之浦周辺は交通渋滞で大変だったそうです。
イプシロンは低コストで打ち上げられるとのことなので、
頻繁に打ち上げを見られるようになるかもしれません。
今夜は十五夜のお月様も綺麗に見えている、
鹿屋の空でした。