12月まで
当院のブログを見て頂いている方々より、
「食べ物のことばっかりだなぁ。」
「うまそうなもんばっかりアップしてんじゃねぇ」
とのご指摘を頂いております。
ある方から、「食べていけてるってことだからいいことだ。」
というありがたいフォローを頂きつつ、
たまには(というか初)お仕事に関してのことも書かなければと思った次第です。
さて、今年の夏は記録的な猛暑でした。
夏の盛りがやっと和らぎ始めた9月中頃、
ある情報番組のお天気コーナーで、
気象予報士さんが気になる発言をされていました。
; 「今年は猛暑だったため、蚊の発生が今からピークを迎えます。」
とのこと。
暑いときほど蚊が発生するのかと思っていましたが、
そうではないらしく、
今年は暑すぎて水たまりや水場が少なくなったため、
ボウフラ(蚊の幼虫)が発生する場所が減り、
その結果、蚊の発生も抑えられていたようなのです。
年間に発生する蚊の総数としては増減がないため、
夏真っ盛りに発生しなかった分、
若干涼しくなって来てから蚊が出てきだしたようです。
蚊が媒介する病気として、フィラリア症があります。
主に犬で知られている病気ですが、
猫にもフィラリアは感染します(日本での猫の全国平均感染率は12%)。
フィラリア症は、毎月一回の予防薬を投与することで、
確実に予防ができます。
例年であれば、4 ・5月から11月(北海道では4~9月、沖縄県では通年など地域差あり)までが
予防薬を投与する期間ですが、
予防薬は、蚊が発生しなくなった時の翌月まで投与するのが理想的です。
現在、11月半ばを過ぎていますが、
ここ数日は特に天気が良いため、
日当たりのよい当院待合い室は日中になると温室状態。
窓を開けるだけでは追いつかず、
今日はエアコンで冷房をかけてしまいました。
この陽気のためか、室内だとまだ蚊を見かけることがあります。
そのため、今年度は、
12月までフィラリア予防薬を飲ませてもらうことをお勧めします。
ここで、フィラリアのライフサイクル(生活環)を簡単に説明すると・・・。
蚊の体内にいる、感染能力をもつフィラリア幼虫が、
蚊が吸血する際にの体内に侵入する。
の皮膚の下や筋肉で成長し、3ヵ月経つと、心臓へ移動し始める。
心臓に到達したフィラリアは約3ヵ月で成虫となり、
ミクロフィラリアという子虫を生み始める。
血液内に生みだされたミクロフィラリアは、血流によって体中を巡る。
蚊が感染したを吸血した際に、血液中のミクロフィラリアも吸い込む。
蚊の体内でミクロフィラリアが発育する。
となり、~を繰り返しているのです。
フィラリア症の予防薬は、の時点に作用し、
体内にいる幼虫が心臓に移動する前に駆除するお薬です。
「今年は結局飲ませずにシーズン終わっちゃったな。来年は飲ませるか。」
となってしまっている方もいらっしゃるかと思いますが、
もし、今年になってからフィラリアに感染してしまっているとすれば、
来年まで待っていると、<
img alt="" src="http://www.kanku-pc.com/wp-content/uploads/2014/06/cat.gif" />の体内でフィラリアが発育しフィラリア症を発症。
重篤な状態になってしまうかもしれません。
今からでも構わないので、
フィラリアに感染しているかどうかを血液検査してから、
予防薬、もしくは感染していたら駆虫薬を投与することをお勧め致します。
既にフィラリアに感染しているに予防薬を投与すると、
ショックを起こすなどして命にかかわることに成りかねないので、
血液検査を行うことをお勧め致します。
フィラリアに感染し、フィラリア症を発症した犬は、
食欲がなくなる、咳をする、運動をすると倒れて失神、
呼吸が速くなる、赤い尿が出る、腹水が溜まることでお腹が膨れる、
といった症状を示します。
のフィラリア症は、
食欲不振、咳、嘔吐、呼吸困難などを示すといわれますが、
犬に比べると症状が顕著ではないにも関らず、突然死することが特徴です。
は、室内といえども完全に蚊に刺されないようにするのは難しく、
自分たちでお薬を買って飲むことはできません。
この仔達の健康を守るのは、ご家族皆様方です。
フィラリア予防を行い、
大切なと家族みんなの幸せを守りましょう